金色に輝く宮殿のような一貫道の道場「天台山」

TASAINA TAIWAN
4月18日
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更新日：4月20日

宗教の自由が認められている台湾では、様々な宗教があります。今回は「一貫道」という宗教とその道場「天台山」をご紹介します。

一貫道は、1930年に中国で「王覚一」という人が創教されました。その宗教はトップの神様が「明明上帝」で、「無生老母」とも呼ばれています。教義は、仏教や道教、キリスト教、イスラム教などの教義が融合されています。ですから、一貫道は仏教や道教の神様を祀るほか、イエスやムハンマドの神様を祀っています。1945年に一貫道が台湾に伝来してから、信者が増え続けています。現在、台湾で一貫道の信者が約80万人で、台湾政府に認められている宗教団体の1つです。

一貫道の道場「天台山」は、台湾南部にある高雄の六亀にあります。「六亀」は高雄の北東部にある山の町で、昔から風水開運の聖地として知られています。ですから、多くの道場やお寺はここに建てられ、その数が300以上もあったそうです。そのほか、六亀は農業地域に属し、マンゴや蓮霧、蜜ナツメなどの果物の栽培が盛んです。

2007年に建てられた天台山は、アジアで最も大きい一貫道の道場と言われています。建設の経費は50億元だったそうです。境内の面積は約300ヘクタールで、日本三名園の1つの「偕楽園」とほぼ同じ大きさです。境内には、前殿の「白陽聖殿」と中殿の「祖師聖殿」、本殿の「皇母聖殿」三つの神殿が建っているほか、私立大学の「一貫道天皇学院」が設けられています。建物は、「めっき（鍍金）」という材質や陶土で作られた独特な材料が使われました。そのゆえ、道場に入るとまるで黄金に輝く宮殿にきたようです。

正門「朝聖門」の前庭の両側には、八匹の獅子のような縁起物があり、とても可愛い姿がそれぞれ見られます。朝聖門に入ると、立派な神殿に惹かれ、静かで落ち着いた雰囲気を感じます。廊下に沿って歩くと、掲示板により一貫道の由来、発展などのことを知ることができます。ここで、珍しい鐘乳石のオブジェは数が多く見られます。

前殿の白陽聖殿に入ると、ヒノキの香りが漂っています。殿内は広くないですが、ニコニコしている弥勒大仏や道教の聖帝君などの神様が祀られています。弥勒大仏は、一貫道のトップの神様の「明明上帝（無生老母）」の指示によりこの世に派遣されたそうで、境内にも弥勒大仏の神像がよく見られます。弥勒大仏の神像の後ろに一貫道の神様が彫刻された荘厳な壁も一見の価値があります。

中殿の祖師聖殿は、前殿の白陽聖殿の上にあります。真ん中に九匹の竜が彫刻された階段を上ると祖師聖殿につきます。ここに「金公祖師」と「天然古仏」、「中華聖母」という三つの神様が祀られています。神像はアジア最大の「白玉」という石で彫刻され、各神像の重さは38トンがあり、独特な工法によってヒノキ製の土台にしっかり固められました。

中殿の祖師聖殿の階段脇から少し登ると、巨大な石壁が見られます。その石壁は、「白玉」という石で彫刻された九匹の竜の石壁です。多くの観光客がそこで写真を撮ります。

本殿の皇母聖殿は、道場の一番高いところにあります。殿内は、高さが六階あります。そこには、道場でトップの神様「明明上帝（無生老母）」の位牌のほか、弥勒大仏の神像が10800もあります。全ての神像と位牌の文字は金箔で作られ、ライトアップによって、黄金の輝き、とても壮観ですよ。目に奪われる本殿の天井の字は、皇母聖殿の「母」の古字です。