top of page

台中霧峰林家宮保第園区

更新日:2024年8月8日


 




今回は、台中にある見所「台中霧峰林家宮保第園区」をおすすめします。

清の時代から現代まで台湾には「五大豪族」というお金持ちの豪族がいます。それは、北部の「基隆」の顔家、「板橋」の林家、中部の「霧峰」の林家、「鹿港」の辜家、南部の「高雄」の陳家の五大豪族です。どの家も、お金持ちなのはもちろん、台湾経済、政治、教育などに、大きな影響を与えています。その一つの霧峰林家は、台中市霧峰区にあります。一番大きな邸宅と庭園がある霧峰の林家に、今も九代目が住んでいます。





霧峰林家の歴史と言えば、1746年に遡ります。林家の先祖「林石」氏が中国大陸から台湾中部の台中大里に移住したのが始まりです。「林石」氏は、数十年にわたって、事業を成功したことがありました。しかし、残念ながら、清の時代に台湾で最大の民衆暴動「林爽文事件」が起き、林石氏は捉えられ、牢屋で死んでしまいました。


その後、林石氏のお嫁さん「黄氏」が三代目の「林甲寅」氏を連れて、台中大里から霧峰(旧名阿罩霧)に移住しました。残された家族の努力によって、林家の繁栄を霧峰で復興させました。


現在、台中霧峰林家には、三代目の「林甲寅」の子供二人、四代目となる「林奠國」氏と「林定邦」氏の二つの邸宅があります。「林奠國」氏の後代の邸宅が「頂厝系」と呼ばれています。「林定邦」氏の後代の邸宅が「下厝系」と呼ばれています。





頂厝系の林家は台湾経済、政治、教育に大きな影響を与えています。今の「台中一中」という高等学校は、日本統治時代に頂厝系の後代「林献堂」氏によって台湾人のため作られた学校です。また、民国時代に入ると、林献堂氏は、彰化銀行の初任の代表取締役社長として活躍しました。頂厝系の林家は、現在の彰化銀行に多大なる影響を持っていたそうです。


一方、下厝系の林家は、清の時代に軍隊のような組織を持っていました。そのため、宗教の反乱「太平天国の乱」や民衆暴動「戴潮春事件」を平定し、清仏戦争で清の政府に尽力したことがありました。ですから、下厝系の林家は、清の政府から台湾の樟脳の販売権をもらいました。当時、台湾で生産された樟脳は、世界中に輸出され、火薬として使われたことで、有名なんです。


現在、国民政府に認定されている文化財「霧峰林家宅園」は、下厝系の建築物「霧峰林家宮保第園区」と頂厝系の建築物「景薫楼、蓉鏡斎、頤園」、庭園「萊園」の三つエリアを組み合わせた園区です。


今回、おすすめしたい見所は、下厝系の建築物「霧峰林家宮保第園区」です。

霧峰林家宮保第園区は、「草厝」と「宮保第」、「大花庁」三つの建築物によって構成されるエリアです。1999年に921大地震によって大半の建築物が破壊されてしまいました。修復は、多くの金と手間をかけて、まだ再建中です。見学するなら、入場券(大人250元)を買う必要があります。





入り口のすぐ傍に「草厝」という茅葺屋根の家屋があります。1837に建てられた「草厝」は、霧峰林家が台中大里から霧峰に移住してきた初の家屋です。「草厝」は、中国の福建式の伝統的な「三合院」という建築様式を採用しています。「草厝」は、日本統治時代に壊れてしまいましたが、2020年に再建された後、一般公開されています。





『宮保第』は、福建式のレンガ建築構造を採用し、台湾で唯一現存する「一品官」という身分が一番高い官員の邸宅です。林家の五代目「林文察」氏は、清の政府に尽力したので、皇帝により「宮保第」という邸宅の名前を賜りました。





宮保第には、多くの見所があります。


まず、「春秋又八千」と書いてある金色の横額です。その横額は、林家の六代目「林朝棟」氏の奧さん「楊氏」が「傘壽(80歳)」の時、祝いの礼として書道家「楊草仙」が贈ったものです。「春秋又八千」は「長寿」という意味があります。


それから、清の官員「李鴻章」が書いた文章で飾られたものも人気があります。李鴻章は日清戦争の講和会議で日本の伊藤博文と下関条約を結んだ清の官員です。





「宮保第」から奥に歩くと、「大花廳」に着きます。「大花廳」は、立派な中国風のオペラ劇院です。なぜ、「大花廳」と呼ばれているのでしょうか。それは、ステージの八角形天井の真ん中に「牡丹」の花が彫刻されているからです。また、大花廳のステージの下に置かれた水槽はスピーカーのような作用があります。


1894年に建てられた「大花廳」は、林家の宴席や家族の娯楽場所として利用されていました。台湾でここでしか見られない福建式のステージである「大花廳」は、霧峰林家の代表的な建物と言えるでしょう。





ちなみに、2014年に台湾歌手「蔡依林」と日本歌手「安室奈美恵」とコラボしたMVは、この大花廳で撮影されたんです。そのMVは5000万再生にものぼります。


大花廳の後ろに、林家文物の展示エリアが設けられています。百年前に使った武器、生活用品などの物を見学することができます。





お土産なら、販売エリアに売っている霧峰農会の「ライチハチミツ酒」をおすすめします。「2018年ベルギー モンド セレクション」で金賞を取った「ライチハチミツ酒(荔枝蜂蜜酒)」は、アルコールが8%もありますが、甘くて女性にもぴったりです。





台湾の歴史に深く触れられる「台中霧峰林家宮保第園区」は、日帰り旅として人気があります。台湾の台中に来たら、訪れてみてはいかがでしょうか。



(許可なく転載することを禁じます)




 

参考:

一、霧峰林家宮保第園区

開放時間:9:00~ 17:00

住所:台中市霧峰區民生路

26號

ネット:wufenglins.com.tw

 

二、交通アクセス

1.朝馬ターミナルで又は

新幹線の高鐵站で台中観光

バス(151阿罩霧線)に乗り

→霧峰郵便局で下車→徒歩5

2、鉄道の台中駅で50、201

というバスに乗り→霧峰郵便

局で下車→徒歩5分








南投

日月潭向山ビジターセンターhttps://reurl.cc/prQ5xa

森林テーマパーク「杉林溪」https://reurl.cc/G4M49x

南投の秘境大学「易経大学」https://reurl.cc/M4n4rL


 

嘉義

阿里山旧森林鉄道「眠月線」https://reurl.cc/j3bvKM

台湾の小京都「嘉義檜意森活村」https://reurl.cc/aL642Z

阿里山「水山森林セラピー歩道」https://reurl.cc/v090YL

 




Comments


bottom of page