
台湾には、いくつかの離島があります。台湾東部の離島「緑島、蘭嶼」ほか、台湾の南西部に位置する約90以上の島で構成されている「ポンフー」などの離島があります。どちらも台湾本島と異なる文化と風習があるので、訪れる価値があります。
今回は台湾離島の「ポンフー南寮」をおすすめさせていただきます。
南寮は、湖西郷に属し、ポンフーで最大の島「本島」の東北部に位置する小さな農村です。住民は、17世紀に中国の福建省の泉州から移住してきた閔南人です。
近年、生活や子供の教育のため、多くの南寮人はポンフーを離れ、台湾南部の高雄へ移住したので、老人だけがここで暮らしています。南寮は、少子化と人口流出などの原因で、現在、約600人しかここに住んでいないそうです。


人口は段々少なくなっていますが、南寮は2017年、2018年連続二年「Green Destination Awards /Certification100選」に選ばれました。台湾離島の小さな農村「南寮」は、地方再生を成功した例として注目されています。

馬公のターミナル駅から、台湾好行という観光バス「媽宮湖西線」に乗って南寮に行けます。南寮に着いたら、バス亭の壁に描かれた分かりやすいガイドマップの通りに散策すればいいです。



南寮の入り口にある道教のお寺「保寧宮」は、清の時代に建立され、歴史は400年以上もあります。主にお医者さんの神様「保生大帝」が祀られています。民国政府がこのお寺を修復したので、立派なお寺になりました。屋根の上に交趾焼で作られた縁起物ほか、お寺に面する長い木製の神柱も一見の価値があります。神柱は、道教お寺の神格の程度を象徴するものです。このお寺は、上から二番目のレベルです。


ポンフーの伝統的な建築物は「菜宅」と呼ばれています。菜宅は「咾咕石(ロウグ石」というサンゴ礁で作られた建物です。ポンフーでは秋から冬にかけて東北季節風が強く吹いていますが、サンゴ礁で作られた「菜宅」は風に強く、風通しもいいので野菜など農作物が植えられます。


南寮には、再利用された浮き球アートや海亀、魚、菊などのポンフーを代表しているものを多用して作られたウォールアートなどの見所があります。



一番有名なのは浮き球アート、「浮球秘境」です。何年か前、ここに住んでいるおじいちゃんが浜辺に廃棄された浮き球を持ち帰り、再利用して、カラフルなアートに仕上げました。このインスタ映えのスポット「浮球秘境」は、ぜひ見逃さないでください。


それから、ポンフー市役所に認定された歴史建築「許返古宅」という伝統的な古民家は、約1851年に建てられました。許返は日本統治時代の企業家として活躍していた南寮人です。元々はポンフー最大都市の馬公で雑貨店を運営していた許氏は、息子と高雄に移民した後、浜辺や道路の開発に成功した企業家になりました。許返古宅は、その時に建てられた立派な古民家です。地元の菜宅と異なって、許返古宅は多彩なタイルや高級な建材を使用した立派な建物です。ぜひこの許返古宅の美しさをお楽しみください。




その他、南寮にある見所は「牛屎窟」です。牛屎窟は牛の糞を集める所です。南寮では、干した牛の糞を薪として利用される風習があります。作り方は、足で牛の糞をきちんと踏んでから、咾咕石(サンゴ礁)の壁にのせて干します。牛は草をたべる動物なので、干した牛の糞は臭くなくて、薪として燃やしやすい特性があります。牛屎窟では手袋でこの独特な文化を体験することができますが、事前に予約する必要があります。


次は、「鶏母狗公園」です。ここに置かれた犬、猫、鶏、アヒル、牛など動物のオブジェも人気があります。台湾人は冬至になると、モチ米の粉で作られた「湯圓」を食べる風習があります。そして「湯圓」をお供え物として先祖様を祀ります。ポンフーでは、冬至に子供がモチ米の粉で作られた犬、猫、鶏、アヒル、牛などの形のものをお供え物として先祖様を祀ります。ここにある動物の形をしたものは「鶏母狗仔」と呼ばれ、「畜産繁栄」という意味があります。ポンフーならではの鶏母狗仔文化はもう数百年の歴史があります。冬至に南寮にきたら、その鶏母狗仔の「湯圓」が見られます。



南寮地方発展センターの前にある三つの大きなレンガ煙突の「福記漁灶」も観光客が魅了されています。約50年前、地元の人は伝統的な台所で捕獲した鰯を加工してから、日本へ輸出していました。その後、鰯の捕獲量はすくなくなったので、輸出量は衰退していきました。現在、「福記漁灶」の台所の体験を予約した場合、鰯を加工用の竈でポンフーの海の幸を味わうことができます。



ポンフーの魅力は有名なスポットだけでなく、小さな農村にも溢れています。ポンフーにきたら、ぜひ南寮に足を運んでみてください。
参考:
1.南寮文化体験(予約.要)
南寮地方発展センター
湖西郷南寮村121-5號
TEL:+886-935250369
2.台湾好行観光バス
媽宮湖西線:(予約.要)
火曜日、木曜日、土曜日のみ運行
(許可なく転載することを禁じます)
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