日本の歴史に深く触れられる鉄道駅「竹田駅」

2024年9月8日読了時間: 4分

台湾と日本には、同じ名前の駅が32もあります。例えば、「竹田駅」や「岡山駅」、「追分駅」などです。それぞれの駅に魅力があるので、観光スポットとして多くの鉄道ファンに人気があります。その中でも、最も人気がある駅と言えば、「竹田駅」でしょう。今回は、台湾南部の屏東竹田にある「竹田駅」をご紹介します。

　竹田駅は、台湾南部の屏東竹田にあり、高雄から南行きの台湾鉄道で、約一時間で行ける見所です。竹田は客家人の集落であり、2022年にイタリアの「Citta Slow」という組織によって「国際スローシティ」に認定されました。近年、屏東県政府と民間が連携して、竹田の観光に力を入れ続けているので、多くの観光客が訪れるようになりました。

　木造駅「竹田駅」は、昭和14年（1939年）に建てられ、85年の歴史があります。当時、竹田を経由していた屏東線（屏東―杤寮）という鉄道は、人ほかにも、米や穀物などの物の運送目的に利用されていました。竹田駅の付近には、駅舎や銭湯、旅館のほか、町へ運ぶ米や穀物などの物品を一旦集める倉庫がたくさん建設され、とても賑やかでした。ですから、竹田駅は客家語「頓物（トゥンブ）駅」とも呼ばれ、そこには「物品を集める駅」という意味があります。

その後、時代の移り変わりで、旧竹田駅舎に代わって現代的な駅舎が今では使われています。現在、使われなくなった旧竹田駅は「鉄道故事館」として生まれ変わり、無料で公開されています。旧竹田駅の前に、今も残っている日本統治時代の湯屋や井戸などの見所は、写真スポットとして人気があります。

そのほか、昔懐かしい風情が漂っているここでは、休日に、様々なイベントが行われ、とても賑やかですよ。レトロな駅舎と現代的な駅舎が併存している「竹田駅」をぜひ訪れてみてもらいたいです。

　それから、旧竹田駅の隣にある「池上一郎博士文庫」というアジア最南端にある日本語図書館も、訪れてみたらいかがでしょうか。この日本語図書館には、日本人の池上一郎氏が大きく関わっています。

池上一郎氏は日本統治時代に軍医として台湾に赴任しました。その時、地元の人々の治療をして、お金を全然受け取らなかった。第二次世界大戦後、日本に戻っても台湾からの留学生たちを応援していたそうです。91歳の時、数多く所蔵した本を竹田の町役場に寄贈しました。そのきっかけで、竹田の町役場は、池上一郎氏の名で「池上一郎博士文庫」を設けました。残念ながら、池上一郎氏はその翌年の92歳で亡くなりました。旧竹田駅にきたら、アジア最南端にある日本語図書館にお立ち寄りください。

　散策に疲れたら、竹田駅から徒歩3分でいける2023年オープンした「両人四口」というイタリア風ジェラート専門店をおすすめします。「両人四口」は、店名が「竹田」から取られています。「竹」は、二人のような形の象形字であり、四口は「田」です。つまり、「両人四口」とは、「両親が二人の子供とここでジェラートを美味しく味わって、一休みをする」という意味があります。店は広くないですが、内装は素敵でサービスもいいす。ジェラートは、10種類以上もあり、選択肢が多いです。

ここで、いくつかの特別な人気のジェラートをおすすめします。「醤油ジェラート」は、ジェラートの上に醤油をかけるので、見た目は違和感があるんですが、味は意外にもジェラートと合いますよ。そして、食べれば食べるほどキャラメルのような味がしてきます。次は、「台湾お茶豆ジェラート」です。屏東地方特産のお茶豆を焙煎加工したものをクリームに仕立てました。味は濃厚でとても美味しいですよ。この店のジェラートは、化学添加物など成分を一切に使っていません。そして、台湾産の食材のみを使って作られます。お立ち寄りの際には、ぜひご賞味ください。

ちなみに、竹田は日差しが強く、きれいな水があるので、品質が高い醤油作りにふさわしいです。実は「両人四口」は、1972年に創業した竹田醤油屋さん「豆油伯」の傘下組織の一つです。ですから、ここでも醤油やオリーブオイルなど商品を買うことができます。たくさんの種類が試飲できるので、お好みの商品を見つけて下さい。