
台湾には日本統治時代の歴史に深く触れられる見所がたくさんあります。今回は台湾南部の屏東市内にある「屏東勝利星村」をおすすめします。
屏東勝利星村には「成功エリア」と「勝利エリア」、「遺構公園(日本統治時代の遺跡を残っている公園)」三つのエリアに分けられています。敷地は広いので、所要時間は約三時間です。

屏東勝利星村の歴史と言えば、1927年に遡ります。当時、日本陸軍の航空第八連隊の初の宿舎として利用されていました。それらの木造建築の官舎エリアは、今の勝利星村の「成功エリア」です。

1937年に日中戦争で台湾総督府が日本陸軍の航空第八連隊の軍力を拡大し、「日本陸軍第三飛行師団」と改名しました。また、現在の勝利星村の「成功エリア」の横で第二官舎エリアを増設しました。その後、「第三官舎エリア」と「崇蘭陸軍官舎エリア」、「干城町官舎エリア」を建設し続けました。これらの地域の建築構造は、初の官舎の木造建築と異なって、木造と煉瓦の建築構造を融合させた官舎でした。当時の日本陸軍の官舎を加算すると、200官舎もあったそうです。
「崇蘭陸軍官舎エリア」は、今の勝利星村の「勝利エリア」」です。「干城町官舎エリア」は、今の勝利星村の「遺構公園」と「駐車場」です。


国民政府時代に入ると、全ての日本官舎は身分が一番高い陸軍の軍将「孫立人」をはじめ、身分が高い陸軍の軍官とその家族が暮らした官舎として利用されていました。その後、段々と国民政府の三軍(陸軍、海軍、空軍)の「眷村」になりました。眷村は、国共内戦で国民政府の旧大統領「蒋介石」と台湾に撤退してきた外省人とその家族が暮らしている集落です。当時、ここに住んだことがあった将軍は60名以上もいたそうです。また、この眷村は台湾で最も大きな眷村だったことが知られています。

2007年に、屏東政府はこの地域の官舎を文化財を認定しています。そして、十年ほどの歳月を掛けて、約69官舎を整備し、2018年に「屏東勝利星村創意生活園区」という名で無料開放しています。開放以来、有名のリゾート地「屏東墾丁(カンディン)」の中継地として人気があります。
園区には「成功エリア」と「勝利エリア」、「遺構公園エリア」三つのエリアに分けら、それぞれ魅力があります。
ここに来たら、まず、「勝利エリア」にあるサービスセンターに行って、日本語のパンフレットを取りに行ってください。QRコードをスキャンすると、園区のいろいろな情報を受け取れます。ここは、元々「陸軍官校」という台湾軍事学校の校長先生の宿舎でした。校長先生も軍将なので、「軍将の家屋」とも呼ばれています。



「勝利エリア」で一番賑やかな見所は、永勝巷と中山路の間の巷です。レストランやサービスセンターのほか、飛行機のタンクで作られた「ウォータータワー」、銅製の大きな「日本統治時代の屏東市地図」や木の葉に食い込んだ壁があり、インスタ写真として大人気です。


また、勝義巷と中山路のコーナーに「柑仔店」という台湾の駄菓子屋さんがあります。オーナさんは80歳のおじいちゃんですが、元気な声で客引きをしています。この店は、評判が良い駄菓子を揃えているので、外国メディアもよく取材しに来たそうです。



勝利エリアの横に「遺構公園」があり、昔の干城町官舎エリアの一部地域でした。敷地内の官舎らは、ほとんど壊れてしまいました。修復が出来なかったので、遺構公園として開放されています。
公園には、勝利星村の建築物や歴史の紹介のほか、点在するアートを見ることができます。例えば、逆に回る巨大な時計、飛行機のウイングなどの見所があります。夜にライトアップが見られ、とてもきれいです。



勝利エリアから、徒歩5分で「成功エリア」に行けます。成功エリアは、最初に建てられた日本陸軍の航空第八連隊の宿舎でした。敷地は広くないですが、見所がありますので、絶対外さないでください。例えば、日本陸軍の航空第八連隊のキャプテンの宿舎です。白と青のペンキで塗られたこの宿舎は、4本の太い石の柱があるので、遠くから見ても目が惹かれます。
国民政府時代に陸軍のトップ軍将「孫立人」の官邸は、今は「孫立人将軍行館」として利用されています。残念ながら、館内は現在整備をしているので、開いていません。再開予定日は、今年(2024年)の5月になります。また「成功エリア」内に民宿が設けられています。



そのほかには、屏東勝利星村で、テレビ、つくえ、棚の形をしているバス停も面白いですよ。
屏東勝利星村は、日本の建築文化と台湾の眷村文化を徹底的に楽しむスポットです。アクセスも便利なので、多くの観光客が遊びにきています。台湾南部の屏東にきたら、時間を作って訪れてみてはいかがでしょうか。



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参考:
一.屏東勝利星村
屏東縣屏東市成功路134號
二.交通アクセス
1.鉄道で屏東駅を降り➔中山路
に沿って徒歩15分程で着けます。
2.屏東客運ターミナルで515番ま
たは506番のバスに乗り➔「勝利
星村站」で降ります。
3.鉄道屏東駅の前でP-bike自転
車に乗り➔10分程で着けます。
屏東
青洲浜海遊憩区https://reurl.cc/WRpRL5
屏菸1936文化基地https://reurl.cc/M4nynk
台湾原住民文化園区https://reurl.cc/Z9YyY6
大鵬湾国家風景区https://reurl.cc/37d7dM
枋寮のビストロ「椰們」https://reurl.cc/qrMVmN
フォルモサ・カカオ農場https://reurl.cc/qrMV8N
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